創設の理念を継承し歩んだ50周年
日本占術協会第3代会長 顧問 エミール・シェラザード/神野さち
本年、一般社団法人日本占術協会は創立以来50年の時を経て、ここに一区切りの年を迎えました。
今日ここに至るまでの道を切り拓いてくださいました先人の先生方、並びに協会会員の各位に厚く御礼申し上げます。
私たちが所属するこの日本占術協会は昭和48年に浅野八郎先生をはじめとして、大熊茅楊先生、初代三須啓仙先生、田口二州先生が代表委員を務め「日本占術協議会」としてスタートを切り、その2年後の昭和50年に「日本占術協会」として本格的な活動が始まりました。
私が入会しましたのは今は泉下で眠る浅野先生のお誘いを受け、故ルネ・ヴァン・ダール・ワタナベ先生と共に昭和55年、桜の花咲く頃だったと懐かしく思い出します。
この原稿の筆を執りながら、まさに光陰矢の如しとしみじみ感じる次第です。
ここで時計の針を40数年前に戻し、当時を振り返ってみたいと思います。
すでに皆様もご存じのように、ルネ先生と私は西洋占星術のフィールド出身として占術協会に入会を致しました。
当時占法を同じくする先生は故高木優彰先生をはじめとして、紅亜里先生など著名な占術家が何名かおられましたが、約9割は東洋占術の先生で占められており、東洋思想中心の世界でした。
しかしながら「時代は新しい風を呼んでいる!占術協会にもニューウエーブを!」と、ルネ先生は浅野先生のお力添えを頂きながら懸命に西洋占星術の部門を切り拓く活動を続けておりました。
時には海外への窓を開き、ある時は若手・新人たちを集め熱心に意見交換しながら、新しい協会への礎を一つ一つ積み重ねていったのです。
今でも記憶に残っているのはルネ・ヴァン・ダール研究所が協会の事務所をお預かりしていた頃のこと。
ルネ先生が先陣を切り、協会に若手西洋占星術士の入会者を増加し、かつ協会全体を活性化していくためにはどのような努力が必要かと、協会員の皆さま方と真剣に話合っていました。
このような努力が「広く門戸を開き、偏りのない、未来志向の協会を目指す」という概念を誕生させたのです。
先人たちの意識改革は、その後の協会にとって大きな意味と意義を持つことになったと信じて疑いません。
混沌とする占い社会の中にあって、我が日本占術協会は常に新時代に向かうチャレンジャーであり「誠を道の親」とする善男善女の集まりです。
このスローガンは今も、そしてこれからも未来永劫日本占術協会の「基本的な姿勢」として襷を繋ぎ続けていくに違いありません。
東洋占術と西洋占星術が合流する大河は広い海原へと今後も向かって進むものと信じています。
今後、益々の発展をお祈りします。
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